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練馬区江古田駅周辺は、再開発地域に指定されている事もあって少しずつ整備が進んではいるものの、依然として情緒溢れる商店街を中心に賑わいを見せる、親しみやすい街である。そしてそのエリアを抜けると、のどかな住宅地が広がる。道路は規則性もなく入り乱れ、宅地との境界が曖昧な箇所が散見される。

今回の敷地もそんな中にあるのだが、大学が多い地域である事も関係しているのか、道路以外の三方を賃貸アパートに囲まれるという特異な状況下にあった。それらが密集して建っている事に加え、南側においては共用廊下が隣接している事もあり、プライバシーの確保と住環境向上の両立が課題であった。

その中で、前面道路こそ西側に接するのみだが、敷地の軸に対して直行していない事、すぐ北にT字路(イの字と言った方が適切だろうか。)があり、実質もう一つ前面道路があるような状況である事から、角地に似た特性を持つ敷地であった。

そこで、タイトルの通り”45度”のボキャブラリーを持ち込んでみる。シンプルにプランニングした平面の要所を45度で”隅切り”する。例えば建物の角を隅切りするとそこは窓になり、通常よりも隣地境界からの距離を確保出来(その分光も入りやすくなる。)、かつ思わぬ視線の抜けを獲得する。角度が振れているので、周囲(外部)の視線とも合いにくい。一方、内部においては、クランクする部分を解消するなど、動線をよりなめらかにしてくれる。

住宅としては比較的小さな部類に入るが、最小限の操作によってプライバシーを保ちつつ外部(都市)への抜けを適度に確保し、同時に光と風を捕まえる事で、少しだけ都市と関係を持てる、とても開放的な家になった。

 

DATA
所在地:東京都練馬区
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供2人
規模:地上2階
敷地面積:71.40㎡
建築面積:42.67㎡(建蔽率 59.77%)
延床面積:79.28㎡(容積率 111.04%)
構造・構法:木造

設計監理:タスエス
構造設計:ユナイテッドデザイナーズ
プロデュース:NK注文住宅コンシェルジュ
施工:住棟

category: WORKS