IENOWA

福島県いわき市。東北でありながら温暖な気候に恵まれた地域です。
海まで車で15分程の山間(やまあい)にある分譲地の一角に建つ住宅です。だいぶゆとりのある区画割なのですが、どことなく寂しげなのは、どの家もカーテンを閉め切り、閉じこもってしまっているからでしょうか。登山やキャンプが趣味の建主は”外のような家”を希望しましたが、単に”外”であると同時に、街に対してもオープンな家にしたいと考えました。

建築する事はリンカクを明確に設定する行為です。そのリンカクを弱める事で、”外度”(どのくらい外っぽいか)を調整しようと考えました。弱いリンカクを幾重にも重ねる事で、深みの異なる様々な外度の領域を作ろうと考えたのです。

出来上がったのは、どこにいても色んな形で外を感じられる家です。自然を感じ、季節を感じ、光を感じ、風を感じ、街を感じ、世界を感じます。建物を建てたというより、外部からの距離感を調整したと言った方が的確かも知れません。この家で家族はお気に入りの”外”を見つけ、感じながら暮らすでしょう。それがやがて周囲にも連鎖し、少しずつ街全体も豊かになればと思います。

 

DATA
所在地:福島県いわき市
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供1人
規模
階数:地上2階
敷地面積:283.14㎡
建築面積:96.04㎡(建蔽率 33.92%)
延床面積:104.04㎡(容積率 36.75%)
構造・構法:鉄骨造

設計監理:タスエス
構造設計:安藤耕作構造計画事務所
施工:創建舎
撮影:平井広行

category: WORKS